奉書紙の簡単な初歩や基本的な使い方・利用... | 初めての利用方法や使用方法・初心者でも簡単 使い方ラボ

奉書紙とは楮を原料とし、米粉や白土を加えて手すきした真っ白で柔らかくしわのない厚手の美しい和紙のことを言います。上質の楮を使い、昔は御教書紙と呼ばれ、高貴な身分の人達の間の公文書に使用されていました。特に優れているとされる越前(福井県)のものは、延元3年頃(室町時代)に室町幕府がこの紙を公文書用に使用したことから、「奉書」と呼ばれるようになりました。越前奉書の特徴は厚手でふっくらとした紙質であり、江戸時代にこの越前奉書は幕府の御用紙となり、越前の5つの村ですいた和紙が日本一だと称されました。また高級浮世絵版画用紙として使用され、現在でも作品制作に使用する画家は多くいらっしゃいます。その他、掛け紙、のし紙、慶弔時の目録、神符、礼式文章等に使用されています。現在は科学パルプを原料とし、機械ですいた奉書紙もありますが、やはり手すきの和紙のものとは品質や風格が劣ります。

奉書紙の初歩的な目録としての利用方法です。正式な贈答品には必ず目録を付けます。用紙は文房具屋、書道道具屋、インターネットで販売しています。目録用としての基本的な使い方は、ツルツルした面(表面)が外側になるように、横二つ折りにします。輪を下にして左右を三つ折りにします。書き方は三等分した右側中央に「目録」、真ん中部分には品名、個数、日付を左寄りに書きます。左側には送り主名を書きます。目録を入れる袋にも奉書紙を使います。表面が外側になるように縦二つに折り、目録を中心の左側3分の1位の所に置き、左側の余りと右側で包んで右側の余りを折り込み、更に上を折り下を折り、目録と書きます。この使い方で祝儀金等を包むことも可能です。基本的な包み方を覚えておくととても便利です。

最近は日本古来の伝統的なものに興味が向いてきているようで、例えば書道などもアニメなどにもなり、若い人にも人気になっています。また伝統的な商品なども観光ということで人気ですが、その中でも奉書紙なども、伝統的な和紙ということで、最近は様々な使い方に利用されています。この基本的な使い方、初歩的な利用方法ということでは、名前からして高級感がありますので、そのような利用の仕方をするということですが、初歩的な使い方ということでは、贈答品などで熨斗紙に使われたりしています。最近は印刷も多いですが、正式にはこの奉書紙などの高級な紙を利用して気持ちを込めて贈るのが印象も良いですし正式ということになります。また初心者でも簡単に利用できます。

奉書紙は、もともと昔の官庁などの役所での命令書として利用されていた用紙ですので、当然ながら使う時の準備ということでも、筆や墨やその他の道具も、釣り合いのとれたものを利用するということが基本ですが、最近は奉書紙自体を利用する場合には、特に決まりなどはなく、大切な内容などを記入するということでも、趣味的な使い方が多くなっているということです。あまりにも文明の利器が進化してしまい、手間のかかる利用の仕方は、趣味ということで使われる場合以外は、あまり必要がなくなっています。パソコンとプリンターがれば、名人などのそっくりな字を書くこともできます。ですので高級感を出したいときに利用するということが基本になります。

奉書紙はもともと昔の高貴な人たちが利用した公文書用の紙ですから、上品でふっくらした高級感がある商品ということになります。材料とはコウゾを利用した厚手の紙なので、今はそのような公文書を利用する人もいなければ、貴族などが利用することもないので、高級紙ということでの利用ということになります。最近ではそのような性質から、儀礼用の専門紙ということで使われていますが、その他にも神道の祝詞用などにも利用されているようです。面白いところでは、紙の質が非常に良いので木版画の紙などにも利用されています。また結納包やのし紙、また掛紙、懐紙、免状用紙などにも利用されているということで、若い女性の花嫁修業のお稽古ごとなどには欠かせないアイテムでもあります。

奉書紙を利用するメリットとしては、やはり高級感を演出できるということになります。人間は不思議なもので、安くて使いやすいものを求める一方で、それだけでは満足せず、高級なものをあえて、高いお金を出して利用するという不思議な感性もあります。多分価値が有るものを使うということは、使っている本人もそれ以上の価値があると印象つけられるということからではないかとも考えられますが、奉書紙はそのうってつけのアイテムになるということで利用できます。ですので価格が高くても価値があるということですが、価値を高めるということでは、様々な利用価値があり、奉書紙を使い、高級感を出すという利用の仕方が今の時代での使用方法ということになります。

奉書紙の利用時の注意点としては、紙の裏表、目録等を包む時に中の用紙が折り曲がらない様に包むこと、慶弔時の場合忌み言葉等の言葉の使い方、行事に合わせた折り返しの重なり方(結婚式等のお祝い事は下側が上、弔時は上です)等が挙げられます。せっかく奉書紙という伝統的なものを使用してもこういった基本的なマナーを間違えては台無しになってしまうので、気を付けてください。墨で書くと一層味があり、高級感もでますし正式ですが、筆ペンでも普通のペンでもかまいません。また、和紙を印刷する場合は柔らかい紙質の場合は細かい繊維がプリンターのローラーにからみついて印字がにじんだりしてしまいますが、奉書紙は紙質が厚いので、プリンターが適していれば可能であり、またインクジェット用も販売されています。

現在はパソコンが主流であり、手紙を書く、手書きで書くと言う事が少なくなってきている世の中ですので奉書紙を使う機会は私達の日常の場面で少ないかと感じます。しかし、このような昔から伝わる伝統的で、高級な和紙がこの日本に存在しているので、せっかくなら日本人として、慶弔時等の特別な時に利用してみてはいかがでしょうか。私達は慶弔時でも簡単にコンビニなどで封筒を購入することができ、印刷された、のしもセットで付いています。しかし、奉書紙の基本的な使い方を覚えておくことも日本人として大切なことであります。丁寧に時間を掛けて目録を作成したり、包んだりすることにより、相手に心が伝わります。命名の時に使われたり、神事に使われたりすることも、こういった観点があったり、奉書紙がとても崇高な和紙であるということの表れであるのではないでしょうか。